入射角付き曲線ポイント
提供: 保線ウィキ
にゅうしゃかくつききょくせんぽいんと
curve point with switch angle
入射角付き曲線ポイントとは、曲線ポイントで、トングレールの曲線形が基本レールに接しないポイントのことであり、現在使用されている分岐器は、帽子形分岐器・60kgレール用分岐器の10番と12番がある。別名で切合ポイントと呼ばれることもある。
入射角付き曲線ポイントの特徴
入射角付き曲線ポイントの特徴として、
- トングレールの曲線が基本レールに接しないため、入射角がある。
- 比較的ポイント長を短くすることが可能である。
- トングレールの加工が難しくなる。
帽子形分岐器のポイントの特徴
帽子形分岐器のポイントは、大正14年形分岐器のポイントを改良したもので、
- 入射角付きの曲線ポイントを使用している。
- トングレールに帽子形レールを使用している。
- ポイント後端のヒール部は、ピボット形式の関節構造である。
- 転てつ棒は、連結板を用いてトングレールと接続する。
- 天狗面といわれているレールブレスを使用して、ファングボルトにてまくらぎと締結されている。
- ピボットの突起がある大床板を使用している。
帽子形分岐器は、ウイットねじNレール用分岐器が制定されるまで、高速区間・高通トン区間など重要線区に多数使用された。現在では、ほとんど交換されていて、中・下級線区の一部や、重要な側線の一部に残っているのみとなっている。
60kgレール用分岐器(10番・12番)のポイントの特徴
60kgレール用分岐器は、通トンが多く、速度の高い線区に用いられているため、Sレールの80Sレール(初期の設計では90Sレール)をトングレールに使用した弾性ポイントを使用していて、特徴としては、
- トングレールに80Sレール(初期の設計では、90Sレール)を使用している。
- ポイント後端は、ヒール部がない弾性ポイントである。
- 基本レールはトングレールが、入り込むようにあご下削りがなされている。
- トングレール後端を鍛造により60kgレールの断面として、リードレールと溶接が可能になっている。
- 転てつ棒は、連結板によりトングレールに接続している。
- トングレールの中間部に、ターンバックル式の控え棒を使用している。
60kgレール用分岐器には、一般用と高速用があるが、ポイントについては両開き分岐器・振分け分岐器を除いて両方に共通である。