Nレール
Nれーる
N type rail
Nレールとは、従来から使用されていた30kgレール、37kgレール、50kgレールのそれぞれの欠点を改善するため、昭和36年に日本国内で設計された新しいレールで、50kgNレールと40kgNレールの2種類が規格化された。
Nレールの設計
このNレールが設計されるまでは、海外で設計・制定された、AREA形レール・ASCE形レール・PSレールを日本国内で各国より輸入し、また、国内で生産して使用されていた。
しかし、日本国内での使用にあたっては、必ずしもレールの形状が良いわけではなく、断面形状などの欠陥が多いため、日本の事情に合わせて、あらたに設計する必要性があった。
新規に設計するにあたって、基本的なレールに求められる考え方は、
- レールの高さを、今までより高くして縦剛性を大きくする。
- レールの上首部・下首部の曲率半径を大きくして応力集中を避ける。
- 腹部厚を厚くし耐蝕性を増す。
- 継目板を取り付けるボルト穴をなるべく小さくしてレール損傷を少なくする。
以上のような考え方で設計された。
そして、昭和36年に40kgNレールと50kgNレールが新たに設計されて制定された。
Nレールの互換性
レール底部の幅は、それまで使用されている37kgレールや50kgレールの互換性を考えなければならなかった。
なぜならば、現在敷設されている37kgレールや50kgレールのレール底部の幅が変われば、レール締結装置である犬クギの位置やタイプレートも同時に変更しなければならないからである。
したがって、40kgNレールにいたっては、従来から敷設されている37kgレールとの互換性を維持して、レール底部幅を同じにし、50kgNレールにおいては、従来からの50kgレールとレール底部の幅が同じとなっている。
Nレールの特徴
それまで使用されてきた、海外で設計されたレールより、レールの高さがそれぞれ高くなり、断面2次モーメントが40kgNレールでは42%、50kgNレールでは、12%大きくなっており縦剛性が良くなっている。
横剛性においては、40kgNレールが37kgレールとほとんど同じであり、50kgNレールは50kgレールより15%小さくなっている。
また、下首部の曲率半径を大きくして応力集中を避けているのと、レール底部の端が薄くなることを避けるため、レール底部の上面を2段勾配としている。
40kgNレールの現在
2011年現在、40kgNレールはJISから削除されており、日本国内の高炉一貫メーカーでは新規には製造されていない。