犬クギ

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いぬくぎ
dog spike , cup spike
博物館明治村で今でも使用されている犬クギ。動物の犬の形に似ていることがよくわかる。
一般的に用いられている犬クギ。レールの底部とまくらぎをつなぐもの。
右側が一般的に用いられている犬クギで、左側がNレール用に設計された犬クギである。
犬クギは、同一の種類の犬クギを100本ずつ麻袋に入れられ梱包されて出荷されている。

犬クギとは、最も単純でレールまくらぎに締結するものであり、レールの位置をまくらぎ上で保ち、レールの浮き上がりを防止するためのクギとして最も単純で広く利用されている。一般的にはこのような呼び名であるが、書き方が「犬くぎ」であったり「犬釘」と書かれていることもある。

犬クギの特徴

犬クギは、古くから広く使用されているものである。犬クギといわれている名前の由来は、ものもとクギとレールが接触する部分が、動物の犬の形をしていたところから命名されたといわれている。書き方も「犬釘」と書いていた。

その後、丸止めクギ角止めクギ凍上用犬クギなどが次々考案され、使用されるようになったため、呼び名も「犬クギ」または「犬くぎ」と書かれるようになった。そして現在では、犬の形をした頭の部分については、亀の甲羅のように楕円形をしたシンプルな形となっていて、昔の犬の形をした面影は見当たらない。

現在の犬クギの形状は、その使用目的によって長さ・頭部の形状が異なり、まくらぎに刺さる刃の付け方も異なっている。

犬クギの設計

犬クギの基本的な設計は、レール底部の上面にかかる頭部あご下の角度は、30kgレール、37kgレール、50kgレールおよび60kgレールは、13度となっている。

しかし、この規格の犬クギをNレールが敷設されているところに使用すると、あごの先端にレールとの隙間が開くことになるため、Nレールの底部上面の角度1:10に合わせて設計されたNレール区間用犬クギも設計されている。

このNレール区間用犬クギは、従来から使用されている犬クギよりあごが5mm厚くなっている。これは、犬クギを抜くときに使用するバールクローバー)の爪がかかりやすくする為です。

一般区間に使用する犬クギのほか、分岐器床板とマクラギを締結する為に設計された丸止めクギがあります。この丸止めクギは、不具合が多く後にメートルねじNレール用分岐器が設計されるときに見直され、現在では、角止めクギが設計され使用されています。角止めクギはレールを直接押さえるほか、タイプレートをマクラギに締結する場合にも使用されます。

犬クギの歴史

犬クギは、昭和36年に一般用犬クギが規格化されました。

そして、昭和54年に犬クギの頭部を5mm厚くした改良型が、一般用とNレール用として規格化されました。その後、昭和60年に頭部上面にすべり止めが施された。

現在、使用されているものは、平成2年にJISとして定められたもので、一般用とNレール用がある。