RCまくらぎ
RCまくらぎ
reinforced concrete tie , reinforced concrete sleeper
RCまくらぎとは、別名鉄筋コンクリートまくらぎともいわれている。建造物などに使用している鉄筋コンクリートを応用して開発されたもので、もともとコンクリートは、圧縮に強いが引張りには弱く、その弱さを補う形で鉄筋を入れたものである。
鉄筋コンクリートまくらぎの発明
フランスのモニエ氏が特許を取った鉄筋コンクリートまくらぎは、今から約100年前のことである。それ以来、諸外国にて数々の種類の鉄筋コンクリートまくらぎが設計・試作されてきたが、いずれも決定的な成功は収めることができなかった。
国内においても、大正時代から資源難のために木まくらぎの価格が高騰したため、鉄筋コンクリートまくらぎの研究が始められた。
そして、大正15年に民間の考案で、鉄筋コンクリートまくらぎ(石浜式)20本を東海道本線の湊町駅構内の上り本線に試験敷設された。
当時は、この石浜式の鉄筋コンクリートまくらぎは、数々の試作品の中でも最も優れていたので、その後、名古屋、仙台、大阪でもこのRCまくらぎが使用された。そして、昭和7年ごろまで研究開発が行われていた。
鉄筋コンクリートまくらぎの長期使用
鉄筋コンクリートまくらぎは、数々の試験敷設を重ねてきたが、そのどれもが亀裂の発生やレールの締結部からの損傷などで長期間の使用には耐えられなかった。
したがって、保守労力が増大するようになり、成果が上がらないまま昭和10年ごろまでに敷設されていた鉄筋コンクリートまくらぎは、すべて撤去されてしまった。
しかし、終戦後、木材の不足から木まくらぎが入手困難となり、その対策として再び鉄筋コンクリートまくらぎが取り上げられた。電力・セメント・鋼材が不足していたため実際製作されたのは昭和23年ころからである。
設計・試作を繰り返したが、セメントの質・施工方法に起因するコンクリートの強度不足から亀裂が入り、やはり長期の使用には耐えられなかった。
RCまくらぎの終焉
数々の試験敷設を経て、戦後の昭和26年度試作されたPCまくらぎが、性能において成功を収めたので、その後、RCまくらぎは製造・使用はされなくなった。