37kgレール
37kgれーる
37kg rail
37kgレールとは、輸送量の増加に伴い、従来から使用されてきた30kgレールに変わり重軌化するために導入されたレールである。メートル法による表記が採用される前は、75ポンドレール、七十五封度軌條ともいわれていた。
37kgレールの導入
鉄道開通当初より30kgレールが主流なっていて、レール断面形状の改良などについても30kgレールのみが対象となっていた。しかし、輸送量の増大に伴ってレールの重量化が考えられ、1906年(明治39年)ASCE形レールの75lb/ydレールの採用が決まった。
これが、現在でも使用されている37kgレールであり、レール重量が37.2kg/m、長さが10.058m(33フィート)、L形継目板を使用した。
欧米諸国の列車頻繁な幹線用レールは、75lb/ydから110lb/yd(37.2kg/mから54.6kg/m)であった。
当時、東海道線も列車本数が50から60回程度であることから、欧米の一番軽いレール75lb/ydを採用した。レールの長さを33フィート(10.058m)につき、まくらぎ配置本数を14本に改めれば、曲げ応力、たわみがアメリカやドイツの鉄道とほぼ同等となることが確認された。
37kgレールの実積
この37kgレールは、1893年以降、13年間アメリカで使用され、使用結果においても良好であり、圧延も有利で制作費も低廉となる。また、レール長についても、9.144mに比べて10.058mは、軌道のマイル数に対して常に整数を出し整理上便利である。そのため、新レール長を10.058mに改めた。
37kgレールは、1905年(明治38年)八幡製作所で製造が開始され1906年東海道線に始めて敷設された。
レール種類の乱立
鉄道国有法が公布された1906年(明治39年)以前の官設鉄道では、レールの種類は少なかったが、1906年から1907年の各私設鉄道買収後のレール種類は、
- 双頭レール
- 40 lb
- 44 lb
- 45 lb(第1種から第6種)
- 46.5 lb
- 50 lb(第1種から第10種)
- 60 lb(第1種から第9種)
- 61.5 lb
- 70 lb(第1種から第2種)
- 75 lb
などと、平底レールが数10種類になった。これらを統一する必要が認められたため、1910年(明治43年)にレールの種類を30kgレール・37kgレールの2種類とし、レール長についても10.058mと統一された。
37kgレールは、東海道本線用として採用されたが、運輸量の増加に伴い列車回数が頻繁な区間、こう配区間、トンネル区間などにも使用されるようになった。また、従来敷設していた軽レールは次第に交換され、37kgレール以外の線路にはすべて30kg第3種レールを使用することに定められた。