波状摩耗レール
提供: 保線ウィキ
はじょうまもうれーる
corrugation rail
波状摩耗レールとは、レールの頭頂面が、ある一定の間隔で波型のように凹凸に摩耗することである。別名コルゲーションレールともいう。
波状摩耗の特徴
波状摩耗の波長は、短いもので約30mmから約80mmの波長で、長いもので約200mmから1,000mmの波長となっている。
波状摩耗が進行すると波高が2mmから6mmとなる。よって、車両が通過するときに大きな衝撃が加わるため、軌道や車両に伝わる振動が大きくなり、騒音も同様に大きくなり乗り心地が悪くなる。
発生・発達の原因
波状摩耗になる原因はいまだに解明されていないが、一説によると、車両では車輪及び車軸の曲げとねじりなどにより振動が激しく起こされ、それが、車輪とレールの接触部を通じて、接触圧力となってレールの下に伝わる。
そして、左右の車輪の直径に差異があれば、輪軸は車軸の弾性のよりねじり作用が付加され、激しいすべりを伴って走行距離を合わせなければならない。
このような振動・滑り・接触圧力などにより、また、レールの材質が関係して波状摩耗が限定的に発生すると考えられている。
統計
- 従来からある道床の砕石に比べて、スラブ軌道などのコンクリート直結軌道における波状摩耗の発生率は数倍となる。
- 電車区間が多くて、特にトンネル区間は明かり区間に比べてきわめて発生率が高くなる。
- 駅に停車するために列車が制動をかける区間は、その他の区間に比べて発生率が約3倍となる。
- 単線区間より複線区間の発生率は約4倍となる。
- 複線区間に発生した波状摩耗のうち、上り勾配区間の発生率は下り勾配区間に比べて約2倍の発生率である。
- 直線部にも発生するが、曲線区間の内軌レール発生するのが多い。
波状摩耗対策
現在、波状摩耗を防止する方法は確立されていないのが現状ではあるが、主な防止対策は以下の通りとなっている。